山形市 内科 橘医院 | 認知症の困った症状 3

あること無いことを語る (作話)

作話

 認知症患者さん本人は、過去のことを「まだら」に覚えています。しかしすべてを覚えてはいないため、その途中の忘れたところを、うまい具合につなげて話します。これは患者さんが自尊心から、「忘れた」と言えないことで起こる行為です。

 

 また患者さんは、認知症のために妄想と現実の境界があいまいになり、あることないことを作って話すこともあります。

 

 いずれも患者さんは、悪意をもって話しているわけではありません。しかし作話には家族の悪口が含まれる事が多く、家族にとってかなりストレスとなります。


作話への対応

作話への対応

 内容が軽ければ「ふーん、そうなんだ」と、否定も肯定もせず、あいまいに対応してみましょう。作話の内容を肯定すると、患者さんはますます作話を「現実」と信じ込んでしまいます。また家族が作話の内容を否定すると、認知症患者さん本人の頭の中の「正しい」ストーリーを否定することになるため、怒り出します。

 

 患者さんが家族の悪口を近所に言いふらしているときには、隣人に認知症患者さんの病気のこと、作話のこと、その対応法などについて、あらかじめ話しておくと良いでしょう。


3つの「ない」を実行してみる

 以上の対応法をふまえて、認知症患者さんと接するとき、3つの「ない」を実行してみてください。

 

●(むやみに)叱らない
●(早く早くと)せかさない
●(家族から)遠ざけない

 

 これを行うのは、家族にとって大変だと思います。しかし3つの「ない」が実行できると、患者さんは落ち着いてきます。その結果、家族も介護がラクになってきます。

 認知症患者さんの介護は大変です。患者さんが徘徊したり、風呂に入らなかったりすると、「どうして家族の言うことを聞いてくれないのだろう」とイライラすると思います。また作話や物盗られ妄想では、家族がついカッとして、患者さんと言い争う事もあるでしょう。家族も人間ですから、それは仕方のない事です。

 

 しかし患者さんも、認知症という「病気」にかかっています。介護でストレスがたまったときには、話をケアマネージャーさんなどに聞いてもらい、まずは気持ちを整理してください。そして、我々医療従事者もふくめ、認知症患者さんとどう関わってゆくと良いか、いっしょに考えましょう。

 

 なお、認知症の方の介護などについて、こちらのサイトにわかりやすく書かれてあります。
→認知症の人と家族の会